アウトドア用品、買ってみたけどこれ使えねえ! って失敗誰にでもあると思います。
私もそんな経験、それこそ山ほどしました。
思い込みが激しく、夢見がちなファンタジー体質なので、人いちばい失敗してると思います。
使えないアウトドア用品は、だいたいどこかにしまい込んでいて、もう見つからなくなっているか、それかヤフオクで売り飛ばすのですが、こいつはものすごくコンパクトに収納できるという事で、いつか使う事があるかな? と思って、iPad Pro の箱に入ってました。なぜそんなところに入っているのかも不明です。かくれんぼしてたとすれば絶対に見つからない場所です。
見つけてしまった記念に、いっちょ火を入れてやるとします。
さて、今日の使えない子はこの子です。
じゃじゃーん。
みんな大好き「ネイチャーストーブ」です。はい。
浜辺の流木が大量に吹き溜まっているところに陣取って、今日はこれでお茶を淹れます。焚火台としては火力が強すぎてすぐに薪が燃え尽きて真っ白な灰になるので使いづらく、煙突効果が強いので、薪が燃え尽きたら灰を巻き上げてえらいことになるわ、そもそも燃費が悪いので、お湯を沸かすにしても、このネイチャーストーブ2杯分ぐらいの燃料は準備しておく必要があり、さらに言うと、こんなに小さな本体に収まるサイズに薪を切り揃える必要があるという、なにかと気難しいストーブです。
大火力の炎でお湯を沸かすという「ストーブ」の機能を突き詰めているとも言えます。
これは本来、松ぼっくりなどが大量にあるような状況であればムチャクチャよく働くのだけど、一つ一つの薪を割ったり折ったりする手間が必要な状況では、相当な準備を強いられます。
ガソリンストーブのプレヒートが面倒だとかいう、そんなレベルではありません。
おじいさんは、マジで山にシバ狩りに行かなければいけないレベルです。
写真の最上部の右側に見える橋は、この秋にタンカーが突っ込んで壊れたという関空の連絡橋でございます。こんなとこでお茶を楽しみます。
このヤカン、アノダイズド加工がされていて煤やヤニがついても比較的落としやすいということで使ってみたのですが、やっぱり思った通り、タールのようにベットリと漆黒の被膜ができてしまいました。煤30%ヤニ70%ぐらいじゃないの?って感じですね。触ってみるとべたッとイヤな感触もありましたし。燃料を選べばいいのでしょうけど、ネイチャーストーブなんだからその辺で拾った薪を使いたいものです。
やかんを降ろしてみるとステキな感じです。ヤニさえ出なければ焼き物を楽しみたいと思ってしまう所です。
まあこの状態が30分も続けばいいのですが、たぶん10分持たずに灰を巻き上げて消えるのがオチなので燃料を追加します。次々と追加します。
その辺に落ちてる灌木を石で叩き割るという方法で薪を細かく砕き、ポイポイと放り込んで行きます。
ここまで火が付いていると、ちょっとぐらい湿ってても燃えてくれるので、問答無用で放り込めます。はい。でも調子に乗って湿ったものを放り込みすぎると煙が酷いです(木の質も影響します)。
やっとお茶が飲めます。
正直言って、薪を割ったりするのに汗をかいたせいか、喉が渇いて、べつに熱いのじゃなくても、冷たいのでいいや!って感じでした。汗冷えして凍えそうなときにでも熱いの入れ直せという事なのでしょうか。
お疲れさまでした。超お疲れさまでした。
このアノダイズド加工されたアルミのヤカンですが、べたべたになったヤニを落とすのに、台所スポンジ(たわしつき)ひとつダメにしました。嫁が不満そうです。
年を重ねることにより、以前はライトアンドファスト、軽ければ全部背負っていけると考えていたものが、いまはもう触って満足度の高いものを持って行くようになりました。
散歩いってお茶を飲むときもそうです。
たかだかお茶を飲むためのマグカップひとつとってみても、自分の手に馴染むものがほしいと思って、いまあれこれ試行錯誤しているところです。
ネイチャーストーブは局地戦闘機です。今の私のような、のんびりまったり、お茶を楽しむために散歩するようなオッサンには、まだ手に余ります。
なればさらに5年後、10年後、ますますダメになってゆく足腰を引きずりながら、枯葉でも燃やしているかもしれませんね。