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Channel: 願わくば道に果てのないことを
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お茶を淹れましょう。温かいお茶を。

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 いいかげんオッサンになってきました。
 身体もうまく動きません。

 つい先日はジョルカブで思いっきりズッコケていまも体痛すぎるぐらい。
 ドン臭いですな。医者にドクターストップかけられるはずですな。

 なので、動くのは徒歩です。

 しばらくはバイクも乗りません。

 ウォーキングです。

 ウォーキングということで、むりやり「遊歩大全」に繋げちゃいましょう。
 コリン・フレッチャーが遊歩大全のなかで語る小さな悪魔と呼ばれるSVEA123は、世界中のアウトドアマンから最も愛されている火器です。

 わずか数行でSVEA123に持ってきました。力技というやつです。

 さてSVEA123というストーブです。このブログではもう何度も何度も語りました。実際に使うのはお茶を淹れるぐらいなんです。ただガソリンを燃料にしてお湯を沸かすという用途の、小さな小さなガソリンコンロです。
 用途もそれだけです。お湯を沸かすのみ。火力調節とか苦手なのでフライパン乗せてウィンナー焼くのも苦手です。常に強火でガンガンいけるやつだけ対応です。
慣れると弱火もできますがあまり推奨されていないようです。

 100年前から現在に至るまでずーっと愛され続けてるというのも驚異的ですし、今更私などが語ったところで誰かの焼き直しになるのでしょうけど、SVEA123 の魅力は定期的に語りたくなるものです。

 年に一度は語りましょう。

 数年前にも語りましたが、平成最後の12月ということで、また語りましょう。
 平成の次の元号になったら、またその時改めて語ります。これは死ぬまで語っても語りつくせない魅力です。

 なので、数年に一度はこうやってSVEAの良さを語ろうと、そう思っています。

 今日も語ります。SVEA123 です。

イメージ 1

 ゴトクだけがスチールかな? 何から何までブラスです。真鍮です。
 下のほうにちょこっとだけ写ってるメンテナンスキー(工具と火力調節ツマミを兼ねたもの)はスチールだけど、それをぶら下げるチェーンはブラスです。
 しかもメッキドブラスです(はげはげですが)

 のっかってるのはトランギアケトルのSサイズ。そんなものがこんなに大きくドカンと乗ってるのだから、SVEA123の小ささが際立ちます。

 燃料はガソリンです。仕組みはきっとバイク乗りの方には分かっていただけると思うのですが、この単純な機構は気化器(キャブレター)なしで燃焼させます。加圧ポンプもありませんし、点火プラグもありません。

 熱伝導効率のいいブラスの燃料タンクが暖まることで熱っせられた空気が膨張、加圧されて燃料を上に送るというシンプルな構造です。燃料を吸い上げている訳ではなく、熱膨張で加圧された空気が燃料を上に持ち上げているのです。

 可動部は燃料コックのみです。

 燃料コックを開くと燃料が出ますが、余熱十分なら出る寸前で気化します。

 逆に、余熱が不十分ですと、ガソリンが液体のまま噴出します。
 その辺のSNSよりヤバいレベルで炎上します。

 この記事の一番下にちょっとだけ燃え上がった写真を掲載していますが、あんな可愛らしいものではありません。だいたい「SVEA」と聞くと「火だるま」を連想するように、火だるまとは切っても切れない仲です。
 ちなみにちょっと慣れると火だるまになることはありません。ただ余熱(プレヒート)が面倒だし、プレヒート用にアルコール持ち歩くのも面倒だから、つい燃料タンク内のガソリンを使ってプレヒートするんですが、ガソリンに火を点けるという行為そのまま火だるまになって応えてくれます。可愛い奴です。
 なのでSVEA=火だるま=「へたくそ」とは限りません。火だるまにした方が簡単なので、火だるまにしているだけなのです。ちなみに私も火だるま派です。


 プレヒート十分なら液体のまま飛び出すことはなく、ガソリンは気化して外に飛び出し、チューリップの形の、バーナーヘッドで爆発します。

イメージ 3

 写真は Optimus 8R ですが123も似たようなものです。

 燃焼しているわけじゃなくて、断続的にでズバババババッと爆発しているのです。

 そのため、燃焼音は少しうるさいと言われます。

 レシプロエンジンのように、バババババババッという音がします。
 これはスヴェアサウンドと呼ばれる独特のもので、ものすごく好きな音です。
 この音を聞きたいからSVEAに火を入れるようなものです。

 可動部は燃料コック部分と、あと、燃料キャップだけ。
 壊れる場所がありません。シンプル故に、壊れないのです。
 壊れないという事は、アウトドアでの信頼に繋がります。

 なので、100年前のSVEAを手に入れたとしても、簡単な清掃と、風化するであろうゴムのパッキンや木綿のウィックを交換しさえすれば、心地よくスヴェアサウンドを奏でてくれるでしょうから、数分後には温かいお茶を楽しむことができるでしょう。

イメージ 2

 創始者が会社を興したのは、もともとは別の社名だったはず(おぼえてない)けど、およそ100年ほど前だと言われています。

 その後、1922年にMax Sievert という会社が買収、合併しました。
 私のSVEAは、1922年から1969年まで生産された SVEA123 の、おおまかに2度マイナーチェンジあった中の中期型なので、厳密には分かりませんが、50年から80年ほど前のものだと思われます。

 年代の推定は困難なのですが、箱にマジックで499と書かれているので、これは4ドル99セントだったと思われます。1968年の定価は8ドル95セントだということが分かっている(遊歩大全)らしいので。もちろん本当にその箱に入って売られてたのか?は不明ですが、本体よりも箱の方が現存する数は遥かに少ないですから、どこかから箱だけ入手して別の本体に付属させて日本に輸出したとは考えづらいです。
 50年から80年前ともなると、私よりも年上になるんですが、動作は絶好調です。

 現行モデルである Optimus SVEA123R の「R」というのは、「RADIUS」社の特許だった自動クリーニングニードル(燃料コックを逆に回すとクリーニングニードルが出てくる)が付いている証です。クリーニングニードルが付いてない「R」の付かないSVEAは、プリッカーという火口の穴を掃除するピアノ線でスコスコと掃除してから点火です。私はホワイトガソリンがないときはレギュラーガソリンで使うので、火口の掃除は忘れません。

 実は私、ついこの前までは気にならなかったのですが、最近はこの機能が欲しいです。

 Max Sievert SVEA123 も、Optimus SVEA123R も、どちらも所有していて、お気に入りはアンティークの Max Sievert ですが、最近、ちょっと老眼がきつくなってきたせいか、プリッカーで火口を掃除するのにうまく入らず苦戦するので、もしかすると10年後にはもう Optimus 123Rしか使えなくなってるんじゃないかとか、そんな心配してるところです。そうなったら私はもう8R使いますってば。


 さて、ここからが本番です。

 123 を持ち上げておいて、・・・ ここは男の道具、8Rを語りましょう。


イメージ 4

イメージ 5

 ファイアアアアアアアアアア!!

 この手のストーブは、だいたい火だるまになります。
 それがいいのですよ!


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