私もアウトドアスタイルが随分と変化しまして、むかしはアルコール燃料なんて高いしどこでも手に入らないし熱量低いし熱暴走するしで使いにくいと諦めていたこともありました。ストームクッカーもガスで使っていたという有様です。
ですがここ数年、体調を崩して引きこもるだけ引きこもってしまうと、自分の求めるアウトドアスタイルも随分と変化しました。
ここ1年ほど、私のアウトドア火器はアルコールです。
散歩に行ってお茶を飲むときも、その場でアルコールで沸かします。
アルコールの利点に気が付いてしまって、以降はもう手放せなくなりました。
100円ショップで買ったアルミクリームコンテナや、空き缶から自作のアルコールバーナーが老舗メーカーの作った商品よりも使い勝手がいいのです。
もうアルコールストーブにお金は使わないかもしれない・・・なんて考えていましたが、アルコールコンポーネンツでよさげなものを見つけるとつい手が出てしまいます。
つい手が出てしまったアルストマニアホイホイがこちら↓
エスビットの585のセットです。
アマゾンで2741円(プライム)なので失敗しても許せる値段です。
エスビットといえば世界中のアウトドアマンに愛されている、
このゴトクです。
タブレット燃料は高価だし臭いするし非常用として以外はあまり愛されていませんが、このゴトクだけは世界中に愛好家が居ます。近頃はまた中国がパクったことでも有名です。
満水時に585mlということで、こんなに小さなクックセットです。
エスビットはドイツのブランドなんですが、残念なことに中国製。
たぶんALCOSがOEM元です。
メッシュの巾着袋から取り出すとこんな感じになります。中のゴトクスタンドにも小さな巾着袋がついてましたが外しています。
中を見てもらえば分かると思うのですが、エスビットのタブレットを中心に置けるよう四角い小皿が付いているのですが、これが実は
リベット付け。
これは不要です。アルミのリベットなのでペンチでチギリとってもいいですし、
サンダーでびーっとやっても構いません。
こんなものは破壊です。
セリアで買ったアルミのケースにカーボンフェルトを詰めただけのアルコールバーナーを5年も使ってるのでこいつの火入れ式もこれでやりたかったのですが、
初の火入れは炊飯してやることにします。
コメ1合に水200ccぐらいがいいかもです。
固形燃料です。
実は「大は小を兼ねるだろう、値段も大差ないし、40g買っとけば間違いないな」と思って、40gx40個買ってしまい、段ボール箱みて顔が引きつったという曰くつきの固形燃料です。
40gもいらないので、25~30gになるようカットします。
柔らかいので簡単に切れます。
こんな感じです。固形燃料が大きいのもありますが、このクックセットが小さいのです。
完全自動炊飯です。燃料に火をつけて、燃料切れになるまで放っておくと自動的においしいごはんが炊けているという、最近ちょっと流行しているアウトドア用語です。
だいたいは「エスビットゴトク」「固形燃料」「トランギア メスティン」を三種の神器とし、誰でも簡単においしい一合飯が炊けます。
かくいう私もトランギア メスティン信者だったことがあります。10年ほど前はメスティンしかないと思ったこともあります。でも吹きこぼれが酷いので使わなくなりました。いまはこの鍋のように、蓋のフチが立った文化鍋形状のアルミ鍋を有効に使えば吹きこぼれしないのです。
このクックセット最大の注目ポイントが鍋の形状、つまりフチが立ち上がった文化鍋形状であるということです。
では、なぜアルコールバーナーを使うより固形燃料を使った方がいいのかというと、火力の出方(でかた)の曲線が炊飯に都合がいいのです。
アルコールバーナーだと、
点火直後は弱火
しばらくして燃料が暖まってくると激しく蒸発し始め本燃焼になる。
燃料が沸騰すると爆発的に燃焼する熱暴走状態になることがある。
酸欠になり蒸発したアルコールが酸素のある所まで吹き上げられてから燃焼することから火柱が上がったようになることもある。
消えるときはパッと消える。
それが固形燃料ですと、
点火直後が最大火力
しばらくして燃焼が落ち着いてくる。
後半は弱火~とろ火で、ゆっくり消える。
美味しいご飯を炊くための火加減は、
最初に中火以上の火力で沸騰させる。
沸騰して吹きこぼれたら弱火で鍋の中の水分が飛ぶまで持続させる
時間にして12~15分ぐらい
その美味しいご飯を炊くための火力曲線をグラフにすると、固形燃料の方がよりおいしいご飯に近くなるという理由です。
はい、ごはんが炊けました。いつもの調子でやると水が少し少なかったかな?って感じなので、
次やるときは20ccほど水を増やしてやっつけます。
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おまけ写真。
燃料注ぎすぎて表面張力がえらいことに。
実はわたし、このALOCSのゴトクセットを持ってました。
本当にダメなセットで、上部の開いたゴトク部分が歪んで見えると思うのですが、どれ一つとしてお馴染角度で開かないし、それは不具合ではなくそういう構造であったこともあり、「使い物いならん!」と捨て置いたのですが、実はこれ、上部のギザギザになった変な部品を外せばこの鍋にぴったりフィットするのです。
左側のヤカン載せてる方、足が広がっていて安定よさそうですが、ものすごく細くて頼りないです。大きな鍋は絶対に乗せることができません。
こんな頼りない火力でもしっかりお湯が沸いてくれるし、ご飯も炊けます。
なかなかいいセットではないでしょうか。
ちなみにデカデカと彫り込まれている容量表記は、ml(ミリリットル)のほうしか計っていませんが、けっこう正確です。国内有名ブランドのクソ高いチタンソロ鍋についた表示がグダグダなのが有名で鍋の表記なんて、特に中国製である以上はある意味、諦めポイントなんですが、これはしっかり計ってくれているようです。